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奨学金が返せないどうなる!?知っておきたい返済猶予制度

 2018/06/26 教育ローン   178 Views

奨学金が返せないどうなる!?返済猶予制度

経済的に大学へ通えない若者を助けるために、日本には奨学金制度というものがあります。奨学金は一定の要件を満たして申請すれば大学在学中に一定の金銭的な支援を受けることができ、卒業したら収入などから返済していくことになります。

近年では大学に通っている学生のうち、約半数が金額の大小はあるものの奨学金を利用しています。卒業して就職すれば問題なく返済できるはずですが、正社員として就職できなかったり給与が低くて生活していくだけで精一杯という人も多く、返すべき金額を滞納してしまう人が問題になっています。

奨学金を返せないとなると様々な注意点やリスクが発生するため、滞納するとどのようなことが起きるのか、支援制度があるのかなどを事前に知っておきましょう。

奨学金を返せない人が増えている!?その原因とは?

上述したとおり、近年では昼間に大学に通っている学生のうち50%以上が何らかの奨学金を利用しています。奨学金を受けることができれば、経済的に困っている家庭環境でも安心して大学に通い、勉強に没頭することができます。学生を支援するという性格が強いため、他の消費者金融のカードローンなどで借金を重ねるより遥かに低い利息で借りることができますし、何より信頼できる公的に近い機関から借り入れることができるという点で大きなメリットがあります。

ところが、近年この奨学金を利用したものの、卒業後に借りた金額を返せないというケースが多発しています。

2013年度は返済義務を負っている人が342万人いるとされていますが、その中で3ヶ月以上も返済を滞納してしまっている人は約19万人、1日でも滞納してしまった人まで含めると約33万人となり、全ての返済義務者のうち1割弱が返せない状況に陥っているのです。

借りたものを返さなければならないのは当然であり、滞納が悪質で長期間に渡れば債権者から訴訟を起こされてしまう可能性もあります。事実、2004年には58件だった訴訟件数が2012年になると6,193件と、8年足らずで何と100倍以上にもなっているのです。

なぜこんなにも奨学金を返せないという人が増えてしまったのか不思議に思われるでしょうが、これには個人の経済事情だけでなく景気動向など様々な要因が関わっています。奨学金制度を主に管轄する日本学生支援機が2013年に行った調査によると、返せないという状況に陥った原因のうち7割以上が収入が減少して返済に回す金銭的な余裕が無くなったことでした。

このように十分な収入が得られず、生活するために優先度の低い奨学金の返済が後回しになってしまうのは、パートや派遣社員、アルバイトなどの非正規雇用として働く若者の数が増えつつあることが考えられます。

総務省が行った統計によると、1990年には約2割だった非正規雇用者の割合が2014年になると約4割近くにもなっています。2倍近くにも増えたことになり、年齢別に見ると2014年には25歳から34歳の若者の中では3割近くが非正規雇用待遇で働いていることが分かったのです。

近年は市場経済も不況だったこともあり、正社員として勤務していても給料やボーナスがカットされてしまったり、いわゆるブラック企業に就職してしまって心身の体調を崩し、やむなく退職して収入が足りなくなってしまう人も珍しくありません。特に病気などで退職した場合は例え身体が元気になっても新しい就職先がなかなか見つからず、ズルズルとアルバイトや契約社員として働かざるを得ないケースも多いです。

当然ながら、一般的な企業では非正規雇用よりも正社員のほうがかなり給料が高くなります。

非正規雇用で働くことになった約3割の若者は収入も少なく、生活するために使うだけで全て使い切ってしまい、大学時代に借りていた奨学金などとても返せないという人が多いのです。

近年はひと昔前とは異なり、勤務し続けて年齢が上がれば自然と給料も上がるという状態にはありません。企業も海外の経営スタイルに習って、能力に応じて給料や役職を検討する傾向が強くなっています。奨学金を返せないならもっと頑張って働けば良い、という単純な問題ではなくなっているのです。

また、信じられないことですが奨学金を返済しなければならないという事実を知らなかったという人もいます。

返済を滞納している人のうち、いずれ返済しなければならないと借りる前から知っていた人の割合は何と約6割弱しかいないのです。残りの約4割の人については返済しなくて良いと思い込んで借りていることになります。一方で、滞納したことのない人の場合は、約9割もの人が借りる前から返済義務について理解していました。

非正規雇用などで収入が減少してしまうことも滞納の大きな原因となっていますが、そもそも返済しなければならない事実自体を知らないことも、滞納が増えている一因だと言えます。言うまでもなく、奨学金はあくまでも借金なのでいずれ返済しなければならないことを理解する必要があります。

奨学金を返済できないとどうなるの!?

在学中に利用していた奨学金を返済できていない人が多いと聞くと、では奨学金を返せないままだとどんな影響があるのか気になります。返すべき借金を放置しておいて何もお咎めが無いということはあり得ませんので、きちんと事前に理解しておくことが大切です。

返済を滞納してしまうと、まず滞納した期間に応じて延滞金というものが発生します。カードローンやクレジットカードを利用した場合、定められた返済期日までに返済が認められないと、延滞した日数分延滞金が加えられてしまいます。これは奨学金についても同じで、返済期限までに返済できなければ延滞金が発生してしまうのです。利用していた奨学金が第一種か第二種か、貸与終了年度はいつかなどによっても利息は変わってきますが、滞納している金額に対して2.5%から5.0%が延滞金として加算されることになります。

 

延滞金が発生した場合、奨学金を利用していた本人と保証人それぞれに対して日本学生支援機構や債権回収の代行会社などから督促の書面が送られたり電話がかかってくるようになります。うっかり口座に入金するのを忘れていたという理由ならそれほど心配する必要はありませんが、経済的に余裕が無くて返済できなかったという内容を伝えると返済できるギリギリの金額や期日などを細かく確認され、約束させられることもよくあります。

さらに、電話で督促される場合は基本的には登録してある自宅や携帯電話あてにかかってきますが、何度もかかってきているのに無視していると職場の電話あてにかけてくることもあります。職場の人間に奨学金の返済を滞納していると気付かれてしまう可能性もあるので、くれぐれも督促電話を無視したりしないようにしましょう。

さらに、督促の書面や電話は自分の保証人に対しても行われます。奨学金を借りる際、多くの人は親や親族などに連帯保証人になってもらう必要があります。滞納していることを親や兄弟などに黙っていても、予告もなく突然親に連絡されてしまうこともあるので、滞納してしまったらできるだけ早く保証人にも連絡しておくようにしましょう。

 

これらの督促も無視し、3ヶ月以上滞納が続くようであれば金融関係の個人情報を登録している個人信用情報機関というところに事故情報が記載されることになります。巷でブラックリストと呼ばれるもので、ここに自分の情報が登録されてしまうと、その事故歴が消えない限りはカードローンや住宅ローン、クレジットカードなどを新しく利用しようと申し込んでも審査で断られてしまいます。

中にはブラックでも利用できるカードローンがありますが、金利が高かったり不安な業者から借りなければならないケースが多いのでおすすめできません。

様々な場面で新たなお金の借り入れが出来なくなってしまい、非常に不便になってしまいます。ブラックリスト入りした後も9ヶ月以上滞納を続けると、日本学生支援機構に所属する顧問弁護士の名前で返済期限が設けられた督促状が送付されてきます。この期限までに返済できない場合、とうとう裁判所に訴訟を起こされてしまうことになります。

訴訟では、借金がいくらかという内容を明確化し、債権者である日本学生支援機構側に対して資産の差し押さえが認められます。滞納している人の給料や不動産などの資産をいつでも強制的に差し押さえられるようになり、督促や裁判に対して発生した費用なども併せて滞納者が負担することになります。こうなると本来の返済額よりも高くなってしまうので負担が増えますし、連帯保証人の給与や財産までも同様に差し押さえられてしまう可能性があります

保証人になってくれた人のためにも、安易に返済を無視してはいけないのです。回収を行う学生支援機構や債権回収会社は公的に近い機関なので、そこまで厳しい督促をしないのではないかと楽観視している人も多いですが、決してそんなことはありません。最近は上述したとおり滞納する人が増えていることもあり、少しでも返済してもらえるよう厳しい態度で督促や取り立てをすることもあるので注意が必要です。

また、督促の電話で指定口座に現金を支払うよう求められることもありますが、これは代行業者を装った詐欺であるため、指示通りに振り込んでしまわないようにしましょう。

奨学金がどうしても返せない人への朗報!

収入が少なくてどうしても奨学金が返せないという場合は、どうすれば良いのか分からない人も多いでしょう。実際には、返済が厳しい人のために返済猶予制度というものが定められています。

返済猶予制度は、病気や災害、失業などによって突然経済的に困窮してしまった際に一定期間返済を待ってくれる制度です。正確には支払期限を延ばしてもらえる制度であり、返済すべき金額や利息などが減免されるわけではありません

 

個人ごとの事情や経済状況などを検討したうえで、最大で通算10年間は返済を引き延ばすことができます。

返済猶予制度を利用すれば、何年も返済できなかったとしてもブラックリストに登録されたり督促されることもありません。返済猶予制度を利用した期間は利息も発生しないため、安心して経済状況を立て直すことができます。

ただ、返済猶予制度は全ての人が利用できるわけではなく、年収が300万円以下ということや申請した時点で滞納していないことなどの条件があります

一度でも滞納してしまうと、返済猶予制度を利用できなくなるので注意しておきましょう。返済猶予制度が適用されるかの審査は1ヶ月以上かかってしまうので、滞納してしまいそうだとわかったらすぐに手続きを開始する必要があります。

また、返済猶予制度の他に減額返還制度というものもあります。

これは、奨学金を借りた際に定めた毎月の返済額を最大10年間に渡って半分に減らし、その分返済期間を延長するという制度です。

返済期間が延びても延長期間の利息は負担しなくて良いので、返済すべき総額は変わりません。年収が300万円以下、申請時に滞納していないこと、月払いで返済していることや返済に当たって本人の口座を利用していることなど複数の条件があります。

この2つの制度を利用しても返済が難しいという場合、カードローンで新しく返済に必要な金額だけを借り入れるという方法もあります。しかしカードローンは借金を重ねることになるのであまり現実的ではないため、他に任意整理などの債務整理も検討してみましょう。

任意整理とは、無理なく返済できる金額や返済方法になるように、弁護士などに依頼して債権者と交渉してもらう方法を言います。

弁護士に依頼できない場合は、簡易裁判所に同じように返済方法や金額について調停してもらう特定調停という方法もあります。さらに返済額を大幅に減額して返済期間を長期に伸ばしてもらう個人再生や、全ての財産を差し押さえられる代わりに返済を帳消しにしてもらえる自己破産などの方法もあります。

自己破産の場合、本人の借金は無くなりますが連帯保証人の返済義務も消えたわけではありません。

保証人になってくれた親や兄弟に多大な迷惑をかけてしまい、金額や経済状況によってはその人たちまで債務整理をしなければならない可能性もあります。自己破産すると氏名や住所などが官報に記載されて多くの人に知られてしまいますし、安易に選択しないようにしましょう。

もし奨学金以外にもカードローンなどで借り入れを行っており、全ての借金の返済が難しくて奨学金を滞納してしまっている場合は任意整理が適しています。任意整理の場合はどの債務を整理するか自分で選ぶことができるため、奨学金だけを整理対象から外すことも可能です。この方法なら連帯保証人に迷惑をかけることもありませんし、弁護士などの専門家にアドバイスしてもらえるのは非常に心強いです。

任意整理がうまく進んで返済すべき借金の総額が減ったら、きちんと奨学金の返済を続けるようにしましょう。もちろん奨学金も任意整理の対象に含めることはできますが、その場合基本的に将来の利息は免除される代わりに3年間で全額返済することになります。返済総額で考えると減免されていますが、3年間で完済しなければならないということは毎月の返済額がかなり高くなってしまいます。ただでさえ収入が少なくて返済が困難な状況なのに、さらに毎月の返済額が増えてしまうと元も子もありません。

奨学金を任意整理の対象に含めるのはあまり得策とは言えない
ため、よく考えるようにしましょう。

まとめ

このように、大学時代に借りていた奨学金には様々な注意点があります。奨学金を無償で貰える支援のように誤解している人も多いですが、あくまでも不足しているお金を一時的に貸してくれているだけなので、将来的にはきちんと返済していかなければなりません。近年は非正規雇用者の増加や給料カットなど市場経済の低迷もあり、奨学金の返済に回せるだけの余力がなく、やむを得ず滞納してしまっている人も多くいます

奨学金の返済を滞納してしまうと、他の一般的な借金と同じように督促や訴訟を起こされてしまいます。最初は書面や電話で督促されることになりますが、自分だけでなく連帯保証人にも連絡されてしまいますし、督促を無視していると職場にまで電話がかかってきて同僚や上司に知られてしまう危険性もあります。さらに3ヶ月以上滞納を続ければ個人信用情報機関にブラックリストとして登録されてしまい、金融機関や消費者金融が利用申し込みに際して審査を行う時に滞納情報を知られてしまうことになります。

 

金融機関も消費者金融も滞納のリスクがある人へはお金を貸さないため、ブラックリスト入りしてしまえばカードローンだけでなく住宅ローンやクレジットカードなどあらゆるものが利用できなくなってしまいます。スマートフォンの割賦購入もできなくなる可能性が高いので、日常生活において非常に不便を強いられてしまうでしょう。さらに9ヶ月以上返済を滞らせれば訴訟を起こされ、裁判所の許可のもと給料などの差し押さえを強制執行されてしまう可能性もあります。

こうなっては生活がままならなくなり、今まで以上に困った事態に陥ってしまうため決して督促を無視し続けてはいけません。どうしても返済が難しい場合は債権者へ連絡して事情を説明し、できるだけ早く返済猶予制度などの支援制度を活用することが大切です。返済猶予制度を利用すれば、利息などはかからずに返済を長期間待ってもらうことができ、その間に十分な収入を得られるように対策を取ることもできます。年収制限や滞納したことがないなど、条件はありますが利用する価値は大きいので、滞納しそうだと分かったらすぐに相談するようにしましょう。

大学時代は将来の収入や経済状況など分かるはずもなく、あまり考えないままに奨学金を借りることもあります。もちろん自分の勉学に必要なお金を借りて自分で返すというのは非常に立派なことですが、将来きちんと返済できなかったり生活を圧迫してしまっては元も子もありません。もし滞納してしまえば日数に応じて延滞金が発生してしまい、どんどん返済が難しくなっていきます。

返せないならカードローンなどを利用して借り入れ、それを返済に充てれば良いと考える人もいるでしょうが、カードローンの場合は滞納が続いていればブラックリスト入りしている可能性が高いので、一般的な消費者金融などからは借りられないでしょう。まだ滞納していないのであれば、収入が低くても審査を通してくれるカードローンはいくつもあるので検討してみましょう。

カードローンは利用しやすいため次々に借りてしまいがちですが、奨学金の返済のために新たな借金を重ねるのは自転車操業に陥る可能性もありリスクが高いです。もしカードローンを利用する場合は、くれぐれも返済に必要な最低金額だけを借りるようにし、計画性をもって利用するようにしましょう。

このようにリスクのある方法を選ぶ前に、まずは債権者である日本学生支援機構が行っている支援制度を活用することが重要です。条件を満たして申し出れば、審査のうえで返済期限を延期したり返済額を減らしてもらうこともできます。猶予制度の活用が認められなかった場合は、弁護士などの専門家に相談して任意整理や自己破産を行うという方法もあります。

任意整理の場合は良いのですが、自己破産は安易に行うと連帯保証人にまで迷惑をかけてしまうことがあるのでよく考えて実行する必要があります。思わぬ事情で奨学金が返せなくなるというのは誰にでも起こりうることなので、一人で悩みを抱え込むのではなく誰かに積極的に相談するようにしましょう。