大きなケガや病気で多額の医療費が必要になった時使える制度のまとめ

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公的補助を賢く利用しよう!大きなケガや病気で多額の医療費が必要になった

 

生活していれば誰でも、ある日突然大きな病気をしてしまったり怪我を負ってしまう可能性があります。このような場合に備えて民間の医療保険や生命保険などがありますが、全ての人が契約しているわけではないので高額の入院費用や医療費が必要になったらどうすれば良いのか、払えないと不安に感じる人も多いはずです。

 

大きな病気や怪我をして入院や自宅での安静が必要になってしまえば、働けないにも関わらず治療費が必要になります。自分では払えないほど負担が大きくなることもありますが、民間の保険を契約していなくても負担を軽減できる可能性があるのです。公的な制度を活用することで入院費用などの負担を減らすことができるので、内容や請求方法などを知っておきましょう。

 

「高額療養費制度」

一般的に、治療にかかった医療費や入院費用のうち3割は自己負担する必要があります。ただ、長期入院や大きな手術を行った場合などは医療費がかなり高額になってしまうため、払えないという人も出てきます。

 

この負担を軽くするために自己負担すべき限度額を設定し、それを超えた分は手続きを行えば払い戻してもらえる制度が高額療養費制度というもので、健康保険組合や国民健康保険、全国健康保険協会や共済組合などに加入している人が対象となります。

 

自己負担の限度額は、年齢や収入、加入している保険などに応じて異なります。具体的な金額は個人ごとに様々なので、事前に自己負担限度額を計算できるサイトなどで確認しておくと便利です。

 

この制度の対象となる医療費は保険が適用される治療費や入院費用のうち実際に支払った医療費部分であり、院外処方の医薬品代や個室などの差額ベッド代、保険適用外の先進医療などにかかった費用は対象外となります。実際に制度を利用したい場合は、自分が加入している保険組合などの窓口へ問い合わせの上、所定の書類を提出して手続きを進める必要があります。申請できるのは病院などを受診した日が属する月の翌月の初日から2年以内と定められているので、早めに行うようにしましょう。

 

「高額療養費貸付制度」

医療費や入院費用が払えない場合に助けとなる公的制度として、高額療養費貸付制度というものもあります。高額療養費制度を申請しても、実際に払い戻しを受けられるのに3ヶ月程度かかってしまうので、その間資金不足で費用が払えないという事態も起こり得ます。

 

そんな場合に活用できるのが高額療養費貸付制度で、後日支払われるはずの高額療養費のうち約8割の金額を事前に無利息で貸してもらえます。こちらも先ほどの高額療養費制度と同じく、健康保険組合や国民健康保険などの保険に加入していることが条件となっています。

 

この制度を利用する場合は、加入している保険団体の窓口へ必要書類を揃えて申し出ることになります。保険団体ごとに必要書類や書式などが異なるため、早めに相談して書類を揃えて手続きを進めるようにしましょう。滞りなく申請ができれば、その後2週間から3週間ほどでお金を受け取ることができます。高額療養費も申請していればそれと相殺されるため、実際に受け取れる高額療養費は残りの約2割ということになります。これだけ制度が準備されていれば、入院費用を払えないという事態も避けられます。

 

どうしても間に合わない場合は病院に直接相談

入院費用や治療費が高額になってしまった場合は、上記のように高額療養費に関する公的制度を活用することで支払いを賄うことができます。ただ、有益な制度なのですが高額療養費制度は早くて申請から3ヶ月程度、高額療養費貸付制度も申請から2週間程度はかかってしまいます。

 

病院によっては請求後速やかに支払いをして下さいと求められることもあり、2週間も3週間も貸し付け金が振り込まれるまで待ってもらえないこともあります。どうしても経済的に余裕が無く、すぐに支払えない場合はまず病院の事務局などに相談してみましょう。

 

お金が無くて支払えないのは恥ずかしくて言い出しにくいと感じる人も多いですが、いつまでも黙ってズルズル支払いを滞らせるほうが余程問題があります。病院側としても発生した入院費用や治療費は速やかに回収しなければ困ってしまうため、取りあえず病院に全てを打ち明けて説明し、支払いを貸付金が受け取れるまで待ってもらえないかと相談してみましょう。病院によっては分割払いや支払期限の延期などを認めてくれる可能性もあるので、諦めずに交渉してみましょう。

 

「傷病手当金制度」

病気や怪我をしてしまうと、会社を休職しなければならないこともあります。入院費用などの心配だけでなく、休職によって毎月の収入が激減してしまうというリスクもあります。有給休暇などが充実している会社であれば良いのですが、そうでない会社や有給休暇を使い切ってしまった場合などは給与が全くもらえないということもあり得ます。収入が無ければ入院費用も払えないですし、何より毎日の生活にも困ってしまいます。

 

このような時に役立つのが、傷病手当金制度なのです。この制度を活用すれば、会社を休職した4日目から手当金を受け取ることができます。最長で1年6ヶ月目まで、1日当たり標準報酬日額の3分の2の金額を受け取ることができるので、ある程度長期の入院が必要になった場合に非常に助けとなってくれます。

 

標準報酬日額というのは、毎年4月から6月までに支払われた給与の平均を30日で割り、日額を算出したものです。人によって金額は異なるので、事前に計算してみましょう。

 

この制度は他の公的制度と同じく、健康保険組合などに加入していなければ利用することができません。国民健康保険も対象外となっているので、加入者は注意しておきましょう。

 

「医療費控除」

公的な補助制度の一環として、他にも医療費控除という制度もあります。これは1年間に入院費用など一定額以上の治療費や医療費を支払った場合、税務署に確定申告すれば支払った税金の一部を還付してもらえるというものです。自分だけでなく、生計を一にする家族全員の医療費を合算して申請することができます。

 

医療費控除の対象となる費用には様々ありますが、例えば病院などに支払った診療費や治療費、異常が発見されて治療が必要になった健康診断の費用、虫歯や入れ歯治療に医師が処方した医薬品代なども含まれます。これらを合算した金額のうち、保険の給付金などで補填された部分を除いた金額が10万円以上ある場合は、10万円を超えた部分に対して医療費控除を申請することができます。

 

もし医療費が15万円かかっていれば、5万円に所得税率をかけた金額を還付してもらえることになります。実際に申請するには、確定申告の時期に住んでいる地域を管轄する税務署へ確定申告を行います。支払った領収書を添付して申告書類を提出するので、1年間に受け取った領収書は捨てずにしっかり保管しておきましょう。

 

まとめ

大きな病気をしてしまうと、思わぬ高額医療費が発生してしまって払えないと焦ることも珍しくありません。自分で民間の医療保険などに加入しておけば安心ですが、そうでない場合も個人の負担を軽くするために国が様々な公的制度を準備してくれているのです。

 

もちろん健康保険組合などの各種保険に加入していることが前提ですが、加入してさえいれば効果的な制度の恩恵を十分に受けることができます。

 

高額療養費関連の制度はもちろん、長期休職する場合に受け取れる傷病手当も大きな助けとなってくれます。

 

ただ傷病手当は保険に加入して入れば誰でも受け取れるというわけではなく、休職中に有給消化などで満額の給与を受け取った人や既に障害厚生年金を受け取った人、退職して年金を受け取っている人などは利用することができないので注意が必要です。

 

いずれの制度や手当も、申請してすぐに給付を受けられるものではありません。申請から数ヶ月かかるのが一般的なので、入院費用などが高額になりそうだと判断できた時点で、できるだけ早く書類を整えて準備しておくことが大切です。うまく制度を活用して、お金の心配なく治療に専念できるようにしていきましょう。


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