自己破産だけじゃない!債務整理の種類と方法

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債務整理の種類と方法について

現在の日本で借金を抱えている人の人数はどれくらいいるのかということを聞けば、多くの方が驚くことでしょう。その数、およそ200万人から300万人にも及ぶといわれています。借金苦で自殺する人、夜逃げをせざるを得なくなってしまったという人も少なくありません。せめて毎月の返済額を少しでも減らすことができれば良いのにと願う人もとても多いのではないでしょうか。

 

そんな時には債務整理という方法があることを知っておきましょう。債務整理は借金の額を減らして金利問題からも解放されるという最後の救済措置のようなものです。

 

債務整理には4つの方法、

  1. 任意整理
  2. 自己破産
  3. 民事再生
  4. 特定調停

があります。

 

明るい未来を諦める必要はないのです。債務整理のメリットやデメリットなど詳細をご紹介します。

 

債務整理で主流なのが「任意整理」

4つある債務整理の中で最もよく行なわれているのが「任意整理」という方法です。まず基本的なこととして借りている側を債務者、お金を貸している側つまりカードローンなどの金融会社を債権者といいます。

 

「任意整理」とは裁判所を通さずに債務者と債権者が話し合いをすることで毎月の返済額や利息などの減額をするという方法です。

 

任意整理によって減額できる理由は利息の上限を決めた利息制限法、借金額がどれだけであっても関係なく利息の上限が29.2%までと決められている出資法において差額が大きいという点にあります。利息制限法では最高でも15%までの利息が上限と決められていますので、出資法との最大差は14.2%ありました。この差をグレーゾーン金利といいます。現在利息については利息制限法のみとなっており、それ以上の利息分は過払い金といい、それを返金してもらうことができるようになりました。

 

任意整理ではこの過払い金を元金の返済にあてることで借金額そのものを減らし、毎月の返済額や利息の減額をすることができるのです。ただし任意整理をするには条件があります。任意整理をすると最終的に決められた返済額を3年から5年ほどかけて返していくことになります。そのため、安定した収入があることが条件となります。しかし手続きを開始した時から返済を催促することはできなくなるため、ストレスも減ります。

 

やり方はまず弁護士もしくは司法書士に相談し、依頼をします。依頼すると弁護士や司法書士はそれぞれの金融会社に受任通知書を送ります。これを送ることで返済の催促をすることができなくなります。その後、これまでの借金について全て正確な金額を出し、過払い金などについても計算して債権者と返済額や利息などについて相談します。話し合いの結果、最終的に返済する金額を決め、和解契約書をかわして手続き完了となります。

 

任意整理は必ず最終的に話し合いで決められた返済額を返すということを条件にしていますから、途中で返済をやめるといったことはできません。弁護士や司法書士に相談に行く時には債権者についてまとめたものや最近届いた請求書、現在の収入がわかるもの、クレジットカードなどを持参しましょう。

 

ちなみに着手金は債権者1件で3万円前後、成功報酬は10万円前後必要です。任意整理は職業の制限などもありませんし、手続きも比較的簡単です。ただ任意整理をしたという情報が5年間は個人信用情報機関に記録されているため、その間は新たにローンを組んだりすることができません。

 

自己破産をするメリットとデメリット

債務整理の中で完全に借金を0にすることができる「自己破産」があります。破産をすることができる人は借金総額を3年分つまり36回分割した金額を毎月返済できないという方です。しかしそのような状況であっても自己破産を認められない人もいます。それはやむを得ない借金ではなく、浪費やギャンブルなどでそうなってしまった場合です。

 

それでは破産することのメリットは何かあるのでしょうか。メリットはそれまでの借金が0になるため、これ以上はカードローンの返済などをしなくていいということや破産を申し立てした後は借金の取立て・督促はできないという点です。破産するということがまだ決まっていなくても申し立てをしたということを知らせた時点でそれらの行動は債権者はもうできないのです。

 

そして逆に破産のデメリットはというと、持っている資産は全て処分され、返済にまわされてしまうことです。返済するために売れそうなものは全て没収となり、競売などにかけられて売上金は債権者に平等に分けられます。

 

例えば自動車、保険の解約返戻金、貴金属などもそうです。

 

また個人信用情報機関に破産した記録が7年から10年ほどはのったままなので、新たにカードローンなどを利用することはもちろんできません。官報や破産者名簿に名前や住所などが載せられてしまいますので、見ている人の中に知り合いなどがいれば破産したことがバレてしまう可能性があります。

 

破産の手続きが完了するまでは弁護士や税理士などの士業、警備員などお金や個人情報と関わりがあるような職業の方はそれらの職業で収入を得ることができません。破産の手続きが完了してしまえば問題なくその職業でまた働くことは可能です。デメリットの中で最も気をつけておきたいのは破産者名簿や官報などを闇金業者がチェックしており、名前や住所などを知られてしまうということです。

 

知られてしまうのがなぜいけないかというと、破産者ということで生活などが苦しい場合に借金をすぐしてしまうタイプだと考えられてターゲットにされてしまうのです。破産するとまともなカードローン会社など金融会社から融資を受けることはほぼできません。少なくとも個人信用情報機関に記録がのっている間は0%に近いと思っておくほうが良いほどです。

 

そのため、お金が必要な時に闇金に手を出してしまう人が少なくないのです。しかし闇金の利息は正式な登録をしている貸金業者の比ではないほど高いので返済をできず、破産をしたにも関わらず、また借金地獄に陥ってしまいます。

 

個人再生が可能な人とそうでない人

自己破産まではしたくないという方に向いている方法というと「個人再生」という方法があります。自己破産は全ての債務(借金)が0になりますが、個人再生の場合は裁判所に認めてもらった上で債務の一部を3年ほどで完済するという方法です。どれだけ免除されるかは借金の総額、資産の総額などにもより違ってきます。住宅ローンは除外されますが、他の認められた免除対象の借金については最低金額が100万円となっています。

 

減額される金額は借金総額の10分の1から5分の1ほどまでです。自宅を購入して住んでいる場合などは住宅ローンは減額対象外となるため、住宅を没収されてしまうということもないですから「個人再生」はその名の通り、あくまでも個人が対象なので会社など法人は対象外となっています。また住宅ローン以外の借金の総額が5000万円以下であること、安定した収入があるという方が自己破産以外の方法として「個人再生」をすることが可能です。

 

自己破産が借金やギャンブルなどで作ってしまった借金は対象外となりますが、個人再生であればそういった借金だったとしても手続きをすることはできるのです。つまり自己破産では認められなかった人でも個人再生であれば認められる可能性があるということです。ただし個人再生は裁判所を通して行なわれるので約8か月ほどの時間が必要だといわれています。

 

手続きは弁護士か司法書士に相談して行なう方が間違いがないでしょう。まず個人再生をしたいという申し立て書類を地方裁判所へ送ります。これを民事再生開始申立といいます。次に再生計画の提出をして裁判所からそれを認めてもらい、3年間で決められた額を完済します。個人再生は職業の制限はありませんから士業や警備員などをしている方でもそれまでと同じように働くことができますし、申立をした時点で債権者からの督促や取立てはストップします。

 

しかし3年間で残っている借金を完済することが条件となっているので、専業主婦や失業者は申立することができません。しても認められないからです。専業主婦や失業者の場合はまず何かしらの仕事を見つけてから申立をするほうが良いでしょう。

 

個人信用情報機関にも5年から10年間記録されたままになり、官報にも載ってしまうということは理解しておかなくてはいけません。

 

特定調停の手続き方法

カードローン会社などで借りたお金を返済しきれなくなった時、自己破産以外の方法として、「特定調停」という方法もあります。

 

こちらは債務者本人が債権者であるカードローン会社などを相手に返済について軽減してもらえないかという交渉を行なうことができる制度です。

 

自己破産などの場合は弁護士や司法書士が間に入って手続きなどをしてくれますが、特定調停の場合はカードローン会社など債権者との間に簡易裁判所が調停委員をたててくれますので、この調停委員からアドバイスをもらいながら手続きしていきます。

 

手続きの方法はまず裁判所に申立書を提出しなければいけませんから必要書類を用意し、申立書の作成をして簡易裁判所に提出します。その後、調停委員との面接があり、調停委員の協力を得ながらカードローン会社など債権者との話し合いが行なわれます。話し合いを重ねて両者が納得できる結論がでれば和解成立となり、最終的に決められた金額と方法で返済を行ないます。

 

この方法をとる場合にかかる期間はおよそ3、4か月間です。特定調停は他の方法とは違って全て自分で手続きをしなければいけないので時間も手間もかかりますが、債務整理の中では最も費用がかからない方法です。もちろん他の方法と同じように申立をした時点で督促などは止まりますし、借金をした原因がギャンブルや贅沢品の購入などであろうと申立することは可能です。

 

官報にのせられることもありませんし、和解成立後は利息の免除や過払い金の返金、それによる返済額の減額などをすることが期待できます。しかし個人信用情報機関に5年から10年間記録されたままになりますのでブラックリスト対象者であることは間違いなく、新たにカードローンを利用したりすることは難しいです。また特定調停後は残っている借金全額を3年から5年の間に完済しなければいけないという決まりがあります。

 

ちなみに過払い金の返済を特定調停だけですることはできず、あくまでもこれまでの借金から過払い金を差し引くと毎月の返済額が減額されるというだけです。もし過払い金の返金を求める場合は過払い金返還請求訴訟を別におこさなくてはいけません。任意整理の場合は過払い金の返金までが手続きの一環であるため、返金してもらうことは可能ですが、特定調停の場合は二度手間になってしまいます。

 

債務整理ごとにメリット・デメリットを比較

カードローンなどは一度審査に通ると限度額以内であれば何度でもお金を引き出すことができるため、まるで自分の銀行のキャッシュカードからお金を引き出しているような気分になり、つい返済しきれない金額を借りてしまうという人は少なくありません。生活苦になるほど返済に追い詰められてしまった場合には債務整理をするのも一つの方法です。

 

メリットはたくさんありますが、もちろんデメリットもないわけではありません。そんな4つある債務整理のメリットやデメリットを比較してみましょう。

 

借金を完全に0にすることができるのは自己破産ですが、財産は失う結果になります。

 

財産を失いたくないという方は任意整理、個人再生、特定調停を選択するのが良いです。

任意整理については過払い金分を借金総額から減額することができますし、個人再生は一部を減額することができます。裁判所での手続きをしなくていいのも任意整理だけですが、任意整理を含め、他の方法を選択した場合も専門知識などが必要となるケースも多いことから弁護士や司法書士などの力を借りる必要があります。

 

特定調停の場合は弁護士や司法書士ではなく、簡易裁判所から紹介される調停委員と力をあわせて債権者と話し合うことになります。4つの方法全てに共通しているのがいわゆるブラックリストの対象になってしまうという点です。5年から10年間はずっと個人信用情報機関に債務整理をしたことが情報として記録されていますから、ローンを組むことはかなり難しいと考えておいたほうが良いでしょう。

 

手続きをするにはなにかと費用がかかりますが、最も費用がかからないのは自分で手続きを行なう特定調停で、次に安いのが任意整理、その次が自己破産、一番費用がかかるのは個人再生です。この4つの方法を比較して全体をみた限りでは最も行ないやすいのはやはり任意整理ということになるでしょう。どの方法を選択するかということはどの部分を重要視するかということによります。

 

自己破産は借金をとにかくなくしてしまいたい方向け、任意整理は自己破産はしたくないけれど、毎月の返済額を減額したい方向け、特定調停は手続き費用を安くすませたい方向け、個人再生は借金の原因がギャンブルや浪費などの場合や持ち家がある場合、また任意整理を行なって過払い金分の借金を減額しても返済しきれない場合などに向いています。

 

まとめ

借金を抱えたまま、生活が苦しくなっている状態ではネガティブ感情ばかりが出てきて精神面にも影響が出てしまいます。すると働くこともままならなくなり、返済するどころではなくなってしまいます。そうなる前に最終手段として債務整理を行なうのも前向きな方法であるといえるでしょう。

 

もちろん本来借りていた分のお金を減額してもらうのですから債権者にとっては損をする結果となりますし、迷惑をかけてしまうのは間違いありません

 

そのことを心に刻み込んで完済できるように努力していくことが大切です。なるべく早く解決したいのであれば任意整理が良いです。任意整理であれば手続きも比較的簡単ですし、期間も3、4か月間と短いからです。債務整理をすることで毎月の返済は楽になりますが、油断しないようにする必要があります。

 

実際のところ、債務整理をしなければいけないほど多額の借金を背負ってしまった人というのはお金を借りることがクセになってしまっていることが多いのです。お金が足りなければ誰かに借りればいいということがクセになってしまうと借金を借金で返済するという自転車操業のような状態になってしまい、キリがありません。そういうところに目をつけるのが闇金業者です。

 

闇金業者の利息は一般的な貸金業者と比べるとかなり高めになっており、返済するとなると利息を返すだけで精一杯で元金まで返せないということが多いです。すると、一時的にお金を借りて楽になったとしてもいずれまた借金で苦しむことになりかねません。

 

債務整理をすることになったら、これまでの生活の見直し、お金の使い方の見直し、今後の計画などをしっかりとプランして借金をしないように心がけることが大切です。債務整理を申立しても場合によっては却下されてしまうこともありますから、全ての案件が認められるというわけではないということは頭に入れておきましょう。債務整理は単に借金を軽くできる方法ではなく、生活が苦しくなってどうしようもなくなった時に行うことができる最終的な救済措置であり、また借金をできるようにする方法ではないのです。

 

借りたお金は必ず返さなければいけないということを忘れずに、買い物をする時なども現金払いで計画的に購入するようにするのがいいです。家計簿やお小遣い帳のようなものを書くクセをつけるのもおすすめです。


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