金銭トラブル防止!無効にならない借用書の書き方教えます♪

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金銭トラブル防止!無効にならない借用書の書き方

『お金の切れ目は縁の切れ目』と言われるほど、金銭の貸し借りはトラブルになりやすいものです。しかし、親しい人間からの申し出であると断れないという人も多いのではないでしょうか。金銭を貸してほしいと頼まれた時、口約束のみでお金を貸してしまう人がいますが、これはトラブルに繋がる可能性がとても高いので絶対にやめましょう。親しい関係であっても借用書をしっかり書いてもらうことをおすすめします。

 

口約束のみで金銭の貸し借りを行った場合、双方に誤解を招きやすい為、書面に残しておくことが大切です。借用書がないと後から、借金の額や返済期日に相違が出てきてしまうことがありますので注意しましょう。親しい間柄だからこそ、しっかり借用書を残しておくことが必要です。

 

今回は、借用書の効果や作成する際の盛り込むべきポイント、また裁判になった時の証拠として利用する為の工夫について詳しくご紹介していきます。

 

借用書は絶対必要!

まず、借用者がなぜ必要なのかについて説明していきます。金銭トラブルの多くが、実は身近な存在同士で起こっていることをご存知でしょうか。カードローンや消費者金融から借入をする際には、業者と契約をしているのでトラブルになりにくいのですが、身近な存在との金銭の貸し借りというのは口約束で行うことが多く、返済をしてもらえないことや金額を勝手に変更されるなどのトラブルが発生しやすいのです。

 

そのため、必ず借用書を書いてもらうことが必要となります。身近な人だからと安心していると後で痛いしっぺ返しを喰らうこともありますので注意しましょう。

 

借用書というのは、貸主(お金を貸す人、債権者)と借主(お金を借りる人、債務者)の間で金銭の貸し借りがあったことを証明する証明書です。金銭が貸主から借主に渡る際、借用書が借主から貸主へと提出されます。金銭の貸し借りは口約束でも成立しているので借用書の有無に限らず返済する義務は発生しているのですが、金銭トラブルを防ぐ為には返済期日や利子などについて最初に借用書を作成しておくと安心です。

 

また、借用書には3つの種類(借用書・金銭消費賃借契約書・債務承認弁済契約書)があります。種類ごとに詳しく説明していきましょう。

 

まず最初にお伝えしたいのが、借用書と言われているものには「借用書」と「金銭消費賃借契約書」があります。また金銭消費賃借契約書のことを借用書とひとまとめにして呼ぶこともあるのですが、作成方法が異なっていたり、向いているシチュエーションに違いがあるので別物として考えてください。どちらも効果としては同じです。

 

借用書

作り方は、借主が1通作成し署名、貸主が保管します(借主にコピーを渡す)。収入印紙が1通分で済むというメリットがあります。借用書は簡単に済ませたい時におすすめです。

 

金銭消費賃借契約書

作り方は、借主と貸主が共同で2通作成し署名をし、お互いが1通ずつ保管しておきます。収入印紙が2通分必要となりますし、共同で作成する為面倒というデメリットがあるでしょう。しかし、利子を取ることにした場合や返済方法などを記載したい場合には向いています。

 

債務承認弁済契約書

借用書や金銭消費賃借契約書を作成する時には金銭の受渡しと同時となりますが、過去に貸したお金について内容やいつまでに返済するのかを示す書類として債務承認弁済契約書というものがあります。これは事実確認や返済のルールを記す書類であり、借主、貸主共同で作成します。

 

借用書と一言で言っても、実は3つに分類されているのです。それぞれの特徴に合わせて使い分けましょう。また、借用書が法的にどれぐらいの効力があるのかについて詳しく説明していきましょう。まず、どんな書類でも個人的に作成された「私文書」と、公的機関や公務員が仕事で作成する「公文書」に分かれることを頭に入れておいてください。

 

基本的に借用書や金銭消費賃借契約書は個人的に作成された私文書なのですが、公証人に金銭消費賃借契約公正証書として作成してもらえれば公文書という括りになるのです。

 

ちなみに公正証書とは、法的に強い効力を持つ書類のことを言い、借主からの返済が滞った時などには裁判をせずに借金を回収することができます。また、自分で作成した借用書や金銭消費賃借契約書、債務松陰弁済契約書の場合には裁判をして借主に返済を求めなくてはいけません。法的に効力を強めておきたいという人は、公証人に依頼し金銭消費賃借契約公正証書として残しておきましょう。全国の公証役場で受付しています。

 

自分で作成した借用書では法的な効力がないので意味がないと思われがちなのですが、金銭を貸した後の双方の認識の違いを防ぐことが出来たり、トラブルを回避することができますし、借主に借用書を見せて催促する時に利用することができます。また、返済が滞り裁判になる際には貸し借りの証拠として提出ができるのです。

 

私文書には法的な効力がないと思い込んでいる人も多いのですが、実はこのような面で役立ってくれます。口約束だけではなく、しっかり借用書を残しておくということがトラブル回避に繋がりますので、絶対に作成しておきましょう。

 

自作の借用書を作成する場合

借用書を自分で作成する時のポイントについて説明していきましょう。このポイントをおさえておかないと借用書が無効として扱われてしまいますので注意してください。

 

借用書を作成する際のポイント

借用書に入れるべき9項目

(1) 書面のタイトル(借用書)

 

(2) 貸主の氏名

 

(3) 借主が金銭を受領した日付
これは借主が金銭を受領した日付と借用書を作成した日が同日になるのが原則です。金銭の受渡しが過去になってしまっている場合は、債務承認弁済契約書になりますので注意しましょう。貸し借りをしたことが確実に記録されるように、振り込みなどを利用してください。表記は和暦でも西暦でもどちらでも構いません。

 

(4) 借りた額
金額は全て漢数字で書きましょう。アラビア数字を使用すると線を書き足して金額を変えてしまうことが可能なため、トラブルを回避するためにも数字はすべて漢数字で書くようにしてください。また、金額を書く際に「金〇〇円」の金と数字の間に隙間を作らないようにしましょう。隙間を作ってしまうと書き足しが可能になってしまうので、隙間を作らずに書きましょう。さらに、10万円を貸す場合には、「拾萬」と書かずに「壱拾萬」と書いてください。「拾萬」だけの記載ですと書き足されてしまう可能性があります。

 

(5) 借主が金銭を受領した旨の明記

 

(6) 返済方法と期日
返済方法に関しては取り決めを行っていない場合、持参する形になります。銀行振込で返済してもらいたい場合は、銀行名や口座番号などの記載を書き加えておきましょう。また、期日に関しては「〇カ月以内」というアバウトなものではなく、日付を指定して書くようにしてください。親戚同士などでの貸し借りの場合、返済期日を定めておかないと借用書があってもそれは借金ではなく贈与であるとみなされてしまうことがありますので、必ず期日を入れてください。また、返済方法として分割をする時には以下の内容を決めておく必要があります。

  • 1回あたりの返済額
  • 具体的な返済期日(毎月末日など)
  • 最終的な返済期限
  • 返済の間隔
  • 返済回数の合計

この内容を書き加えておいてください。

 

(7) 借用書の作成日

 

(8) 借主の住所氏名(手書きであること、押印)
借用書の信頼性を高める為に住所と氏名は手書きで書いてもらいます。裁判が起こった時に、借用者が本物であるかどうかを問われることがありますが、自筆であれば本物であると証明しやすいでしょう。印鑑は認め印でも問題ありませんが、より信頼性を高めるのであれば実印と印鑑証明をもらっておくことも大切です。押印する場所が文字と重ならない様に作成するのがポイントです

 

(9) 借金の額が1万円以上であれば収入印紙を貼りましょう
一般的に手形や定款、保険証券、不動産売買契約書などの課税文書に関しては収入印紙を貼りつけるという決まりがあります。借用書(金銭消費賃借契約書)が1万円以上であれば収入印紙を貼らなくてはいけません。

 

収入印紙は商工会議所や郵便局、コンビニ、金券ショップなどで購入することができますが、コンビニや金券ショップでは取り扱っていないこともありますので注意しましょう。また、収入印紙を貼っていない状態で裁判になると、印紙代を3倍払わなくてはいけなくなりますので、確実に貼り付けるようにしてください。

 

1〜1,000万円の借用書の場合、収入印紙代は下記のようになります。

1万円未満 必要なし
1〜10万円以下の場合 200円
10〜50万円以下の場合 400円
50〜100万円以下の場合 1,000円
100〜500万円以下の場合 2,000円
500〜1,000万円以下の場合 10,000円

*印紙代は借主が負担します。

 

上記のポイントは簡単に済ませたい時に使用することができるテンプレートです。

 

借用書は原則として借主が作成し貸主に提出するのですが、貸主がひな形を作成し、借主に確認の上、署名と押印をしてもらっても問題ありませんので、借主が用意しない場合は貸主が用意しておきましょう。

 

また、借用書のひな形は司法書士事務所などが公開しているものがありますのでそちらを参考にしてみましょう。テンプレートを取得する際には信頼できる提供元であること、自分のニーズに合っているものを選ぶようにしてください。

 

ルールを細かく決めた場合

金銭の貸し借りの際、返済ルールについてしっかり決めておくことが大切です。特に貸し借りする額が大きい場合は、金銭消費賃借契約書を作ることをおすすめします。

 

通常の借用書程度であっても貸主と借主の署名がされていれば金銭消費賃借契約書になるのですが、一般的な借用書よりも利子や返済方法など細かいルールを記載しなくてはいけないので、上記で説明したポイントよりも書かなければならないポイントが増えます。

 

金銭消費賃借契約書に入れるべき11項目

(1) 書面のタイトル(金銭消費賃借契約書)
(2) 借主が金銭を受領した日付
(3) 貸し借りした金額
(4) 借主が金銭を受領した旨の明記
(5) 返済方法、返済期日
(6) 利息の有無、利率、支払い方法
(7) 遅延損害金(返済が遅れた時のペナルティ)の有無、利率
(8) 期限の利益喪失の条件(残金を即返済しなくてはいけなくなるという条件)
(9) 契約書の作成日
(10) 貸主及び借主、連帯保証人(つける場合)の住所氏名(手書き、押印)
(11) 1万円以上であれば収入印紙を貼る

 

金銭消費賃借契約書はちょっと複雑でわかりにくい部分がありますので、ちゃんとしたものを作成したいのであれば行政書士や司法書士に作成を依頼することをおすすめします。依頼料としては、10,000円〜30,000円程度で作成してもらえるでしょう。

 

この際の費用負担はどちらが持つと決まっていませんが、基本的には借主が負担することが多いようです。

 

金銭消費賃借契約書のポイントについて詳しく解説していきます。
利息の支払い方法を決めましょう。

個人でのお金の貸し借りの場合、ほとんどが無利息と言われています。利息をもらいたいのであれば、契約書に利率と支払い方法(元金と一緒に払うのかどうか)を記載する必要があります。ただし、個人間の貸し借りであったとしても利息制限法という法律によって、上限金利は定まっていますのでその範囲内に収まるように設定しましょう。

 

10万円未満の上限金利は20.0%、10万円〜100万円未満の場合は18.0%、100万円以上であれば15%が上限金利です。また、利息の支払い方法としては、元金均等払いと元利均等払いがあります。

 


遅延損害金の扱いを決めましょう。

返済が遅れた際のペナルティーとして遅延損害金を設定しておきましょう。

 

これは返済期日の翌日から発生します。遅延損害金について取り決めがない場合でも、請求することができるので注意しましょう。また、利息の利率をいくらかにしているかで利率が異なります。年率5%を超えている場合は利息と同じ利率、年率が5%以下であれば年率5%、利息の利率を決めていない場合は年率5%の利率と民放404条と419条に定められています。

 

また、こちらも上限金利が定められていますので、その範囲内に収まるように設定しておきましょう。

 

個人間の遅延損害金の利率は利息の上限の1.46倍までと定められており、10万円未満の場合は年率29.2%、10万円〜100万円未満の場合は年率26.28%、100万円以上であれば年率21.9%です。通常、消費者金融では20.0%が上限ですが、個人間であればそれ以上の設定も可能なのです。

 

即返済を求める条件を決めましょう。

期限の利益というのは、借主がお金を借りていられる期限までお金を返さなくてもいいということを表しています。期限の利益を喪失することによって、借主はすぐに残金を返済しなくてはいけません。その条件を事前に設定しておく必要があるのです。

 

例えば、「分割払いで返済が遅れた場合は残金を一括返済すること」や「他のカードローンや消費者金融から借金をした場合は一括返済すること」など設定しておきます。その条件が守られなかった際には、即返済してもらうというのが期限の利益です。

 

借用書とベースは同じですが、詳しい返済方法や利率などを明確に記載する点が異なっています。ルールを記したいという人は、金銭消費賃借契約書として作成することをおすすめします。この場合は、貸主、借主双方が所持しますので、収入印紙も2枚必要となってきますので注意しましょう。

 

債務承認弁済契約書が必要な場合

債務承認弁済契約書が必要な時とは、お金を貸したのにいつまでも返済されたなかった時や借用書や金銭消費賃借契約書を作成していなかった場合です。過去に貸したお金に対して適用されるのがこの債務承認弁済契約書となります。書類の作成の仕方について詳しく説明していきましょう。

 

債務承認弁済契約書に入れるべき11項目

(1) 書面のタイトル(債務承認弁済契約書)
(2) お金を貸した日、もしくは借金があることを確認した日
(3) 借主がお金を借りていることを確認したという文言
(4) 現在確認できる借金額
(5) 返済方法、返済期日
(6) 利息の有無、利率、支払い方法
(7) 遅延損害金(返済が遅れた時のペナルティ)の有無、利率
(8) 借主と貸主の間に他の債権債務がないこと
(9) 期限の利益喪失の条件
(10) 契約書の作成日
(11) 貸主及び借主、連帯保証人(つける場合)の住所氏名(手書き、押印)

 

過去の金銭の貸し借りについての契約書の作成は、通常の借用書と異なり複雑になりやすいので、無料ひな形を用意している専門家に依頼することをおすすめします。自分で作成することもできますが記憶が曖昧であることも多いため、難しいこともあるでしょう。不備のないものにしておくためには、公正証書にしておきましょう。司法書士や行政書士に依頼して作成しておきましょう。

 

債務承認弁済契約書の作成する時のポイントについて説明していきます。

 

貸した日がわからない

過去の金銭の貸し借りであることから、記憶が曖昧になってしまうこともあるでしょう。特に、いつ貸したのかということが明確にわからないという人も多いようです。例えば、振り込みで貸しているのであれば通常やネットバンキングの履歴で確認できますが、手渡しをした場合に関しては記憶のみが情報であるとも言えます。

 

しかし、曖昧な記憶を元に作成してしまうと借主側から反論されてしまう可能性も高い上に、契約書としての信憑性が損なわれてしまいます。貸した日が明確でない場合、「〇年〇月〜〇月にかけて(〇回にわたり)借り、〇月〇日(債務承認弁済契約書の作成日)に〇円の債務が残っていることを確認した」と書くようにしてください。

 

この貸した期間については、通帳や家計簿などの記録をくまなく探してみて下さい。もし、それでも見つけることができなければ、「契約書作成日時点でいくら借金があることを確認した」という文言でも問題ありません。

 

現在確認できる借金額

返済が滞っている段階で債務承認弁済契約書を作成することが多いのですが、その際に現段階で確認できる残金を記入しなくてはいけません。この際も借用書で説明した通り、漢数字で書くようにしてください。また、その契約書を作成する段階で、返済方法の再確認と利率などを改めて設定してください。また、返済が滞った際のペナルティについても記載することを忘れずに行いましょう。

 

借用書や金銭消費賃借契約書のように、お金の受渡しと作成日が同日であるものとは異なり、過去のお金の貸し借りについての契約書を作成することから、作成段階で貸主と借主によってトラブルに発展してしまうケースもよくあるようです。作成段階で、双方の認識が異なっていることも多い為、自分たちで作成するのに限界を感じてしまうという人も多いのです。

 

その際には、自分たちで作成するのではなく、公証人を介して作成してもらいましょう。親しい人間同士でのやりとりだとしても、過去の話を持ち出して、新たに契約書を作成するとなると、揉めることも珍しくありませんので、法的に効力を強める為にも公正証書として取り扱ってもらうことをおすすめします。

 

また、お金の貸し借りをする際には「いつ」「どこで」「誰に」「いくら」ということをしっかり把握しておくことが大切です。

 

口約束だけでは借りた側が逃げてしまうことも珍しくありませんし、期日を守らないことも多いため、泣き寝入りをしてしまうパターンがありますが、後からでも債務承認弁済契約書として作成することが可能ですので諦める必要はありません。

 

作成方法がわからない時には、公正証書を取り扱っているサイトに無料で提供しているテンプレートがありますので、そちらを使用しましょう。

 

契約書を公正証書にしておけば、裁判の手間が省ける!

個人的に作成した借用書は借金を回収するような法的なものではありません。あくまでも約束をした証明であり、それがあれば借金を無理矢理回収することができるというものではないのです。そのため、催促しても返済してくれない場合には、裁判を起こさなくてはいけません。しかし、作成段階でこれらの契約書を公正証書にしておけば、裁判をしなくても借金を回収することができるのです。

 

金銭消費賃借契約書(借用書)を公証人によって公正証書にすることで、返済が滞った場合には裁判をせず、強制執行(財産の差押さえ)が可能なのです。書類は公証役場で保管してくれていますので、なくす心配もないというメリットもあるでしょう。公正証書にしておくことで、借主も返済しなくてはいけないと実感させる効果も期待できます。

 

また、お金を返済してくれるか不安な相手にどうしても貸さなくてはいけない時には、執行認諾約款がついている公正証書を作成することをおすすめします。

 

執行認諾約款とは、債務者が支払いを怠った場合に強制執行を受けることを了承している文言が記載されているもので、強制執行とは財産の差押さえなどのことを言います。この執行認諾約款をつけておくことで、裁判をしなくても借金を回収することができるのです。逆に言えば、つけていなければ意味がないということになります。

 

それでは、どのように公正証書として作成すれば良いのかを説明していきます。事前準備として、貸主と借主が最低限いくつかの項目に合意しておきましょう。合意内容を記載したメモを用意してください。金銭消費賃借契約を作成している場合はそれで代用可。

 

【合意内容として必要なもの】

  • 貸主(債権者)の氏名
  • 借主(債務者)の氏名
  • 連帯保証人の氏名(いなければ必要ありません)
  • 貸した金額
  • お金を貸した日
  • 返済方法、返済期日
  • 利息の有無、利率、支払い方法
  • 遅延損害金(返済が遅れた時のペナルティ)の有無、利率
  • 期限の利益喪失の条件
  • 強制執行認諾文言の記載有無

 

これらに貸主・借主が同意していることをメモしておきましょう。また、当事者本人ではなく代理人が行う場合は委任状も必要となってきますので注意しましょう。

 

同意メモと一緒に持参するものを下記にまとめました。

  • 印鑑証明書
  • 運転免許証などの身分証明書(写真付)
  • 公正証書作成手数料(日本公証人連合会が公表している手数料は全国一律です)

100万円まで5,000円、200万円まで7,000円、500万円まで11,000円、1,000万円まで17,000円、3,000円まで23,000円、5,000万円まで29,000円、1億円まで43,000円です。

 

これらの書類を持参し、公証役場に出向く必要があります。公証役場によって手続き方法や書類の提出方法が異なりますので、実際に利用する公証役場のサイトなどで確認するか電話にて問い合わせてください。

 

京橋公証役場の場合

(1) 金銭消費賃借契約書がある場合には、契約書と印鑑証明書、身分証明書を公証役場にメールかFAX。金銭消費賃借契約書がない場合には、合意メモと必要書類を持参し、公証役場まで出向きます。
(2) 次に公証人が公正証書の原案を作成し、メールかFAXで送付してくれますので内容を確認してください。
(3) 日程調整をし、貸主・借主・連帯保証人(いる場合)が揃って公証役場に行きましょう。公証役場で署名と捺印を行うことになります。

 

金銭消費賃借契約書(合意メモ)を送付した後、不明な点について聞き取りがあったり、面談が必要となれば呼び出されることもあるでしょう。公証役場は全国にありますので、貸主・借主・連帯保証人が行きやすい場所を選ぶようにしてください。これで確認できれば、公正証書として作成したことになります。

 

先程も言いましたが、公正証書を作成することによって借主の返済が滞った時に、裁判所に強制執行を申し立てることが可能です。まず、公正証書を作成した公証役場で公正証書を債務者と連帯保証人に送付してもらいます(送達の申し立て)。

 

その後、公正証書を作成した公証人から、強制執行可能という証明(執行文付与の申し立て)をもらうことになります。送達証明書、執行文が付与された公正証書、戸籍謄本、申立書を揃えて裁判所に強制執行を申し立てましょう。

 

借用書を書いても無効になってしまうケース

借用書を作成する時には、上記で説明した以外にも注意点がありますので詳しく説明していきます。

 

(1) 公序良俗に反する文言が入っている場合
公序良俗に反する文言というのは、「借金が返済できなければ内臓を売ること」や「体で支払う」「家に火をつける」など常識的に考えておかしい文言が入っている場合は無効。

 

(2) 片方に著しく不利な場合
片方に著しく不利な場合というのは、「契約書にない取り決めに関しては、全部貸主の言う通りに行う」といった借主にとって一方的に不利な文言が入っていることを言います。このような場合には無効として扱われるでしょう。

 

(3) 制限行為能力者との契約の場合
制限行為能力者とは、民法上で単独で完全な法律行為を行うことができない者を指します。例としては未成年者などが該当します。

 

未成年者との契約の場合は、無効とされることがあるでしょう。制限行為能力者について詳しく下記にまとめました。

 

・未成年者
十分な判断能力がないとみなされているので、保護者の同意が必要

 

・成年被後見人
成年後見人が財産管理などを行う

 

・被保佐人
借金の契約、財産上の法律行為について保佐人の同意が必要

 

・被補助人
特定の法律行為について、補助人の同意または代理が必要

 

聞きなれない成年被後見人や被保佐人、被補助人というのは、成人しているものの認知症や精神上の障害があり、十分な判断能力がないと判断されている人たちのことを指しています。判断能力の差によって名称が分かれているのです。このような人にお金を貸す場合には、保佐人や補助人の同意が必要となりますので注意が必要です。

 

また、ギャンブル依存症や買い物依存症が被保佐人になっていることも多いので気をつけてください。特にギャンブル依存症の人はカードローンやキャッシングなどで手一杯になり、近しい人間にお金の無心をすることがあります。一見問題なく見える為、お金を貸してしまうこともあるかもしれませんが、判断能力が低下していると判断される被保佐人である可能性が高いのです。そのため、相手が制限行為能力者の可能性も考えることが必要となってきます。お金を貸す前に確認しておきましょう。

 

上記のどれかに該当していると、裁判を行った際の証拠品として無効とされてしまいますので注意してください。貸主としては、「お金を貸しているのだから、言うことを聞け」という気持ちはあるでしょう。しかし、そのような書き方をしてしまうと裁判になった時に不利になってしまいますので、感情的な文言は避けましょう。

 

また、取り決めのない内容について契約書を作成する場合、「本契約書に定めのない事項については債務者と債権者が協議の上、これを定めるものとする」などと記載されているのが一般的です。

 

上記以外にも借用書を作る際に注意しなくてはいけない事についてまとめました。

 

感熱紙の使用はNG

契約書をパソコンやワープロなどで作成する人も多いですが、その際に感熱紙を使用することはやめましょう。文字が消えてしまう恐れがありますので、普通紙を使用して印刷してください。

 

鉛筆書きはNG

契約書の文面や署名は手書きでも問題ありませんが、鉛筆を使用するのはやめましょう。また、消えるボールペンも消えたり、薄れたりする可能性があるので使用してはいけません。

 

押印は文字と重ならないように

押印する際には、文字と重ならないようにしてください。文字と重なってしまうと印影が不鮮明になってしまいます。

 

捨印は押さない

捨印があると意図せず訂正されてしまう可能性があるため、できるかぎり押さないでおきましょう。

 

インターネット上にあるテンプレートを参考にする時には注意が必要

弁護士、司法書士、行政書士などの専門家が作った契約書であるかどうかを確認しましょう。内容や意味を理解して使うことが大切。参考として利用してください。

 

仕上げの契印、割印、消印

金銭消費賃借契約書の作成が終わったら、仕上げに契印、割印、消印をする必要があります。

 

上記の内容に該当してしまうと、借用書が無効になってしまうことがありますので、これらのことを踏まえて、正しい借用書を作成してください。

 

まとめ

今回は、借用書について説明してきました。親しい友人や親戚であったとしても、金銭の貸し借りというのはデリケートな問題です。『金の切れ目は縁の切れ目』とも比喩されるぐらい、お金が絡むとトラブルに発展しやすいのも事実でしょう。

 

「カードローンの返済を優先してしまい、生活費が無くて困っている。3万円貸してほしい」とお願いされた場合、ほとんどの人が借用書を作成せずに貸してしまうのではないでしょうか。しかし、一度お金を借りることができた人は、また借りようとしてきます。

 

特にギャンブル依存症の人や、買い物依存症の人はカードローンを利用していたり、キャッシングを行っているような多重債務者である可能性も高く、常に返済の為に画策しています。人の弱みに付け込んだ言い方をしてくることもあるでしょう。カードローンの限度額目一杯まで借入しているような人であれば、お金を貸しても返済してくれる保証はありません。

 

カードローンやキャッシング、消費者金融を利用していることが事前にわかっている場合は、お金を貸さないか、貸しても返済されないことを前提に貸すようにしてください。

 

また、貸すことができないと断ってもしつこく言ってくる場合には、口約束ではなく必ず借用書を作成しておきましょう。ただし、注意しなくてはいけないのが、ギャンブル依存症や買い物依存症などの人物に対しては借用書の効力が無効となってしまうことがありますので、判断能力が欠如している人物かどうかを事前に確認しておきましょう。

 

また、借用者を公正証書にしておくことが大切です。

 

借用書を作成する際には、期限の利益喪失条件を設定しておくことを忘れないようにしましょう。特に新たなカードローンの利用やキャッシング、消費者金融からの借入などが発生した場合には即返済してもらうように条件をつけておくと安心です。関係性によってはカードローンの利用などを把握することができないこともあるでしょう。

 

知らない間にカードローンを利用していて、返済が滞るようになった時には、遅延損害金としての条件が発動されます。また、公正証書として作成しておくことで強制執行を行うことができます。強制執行とは別名差押さえと言い、まずは給料からの差押さえができます。もし、給料がなければ貯蓄、さらには車なども差し押さえることができるのです。あくまでも返済が滞ってしまった際に利用できるシステムです。

 

さらに、過去の貸し借りに対しても新たに債務承認弁済契約書として作成することができますので、返済されないことを諦める必要はありません。貸した日付などを覚えていること、残金などの情報を元に新たに作成しましょう。この時には、貸主、借主双方が同意の上話を進めていくことが大切です。法的に効力を与えるためには、公証役場で手続きをしましょう。

 

『親しき中にも礼儀あり』という言葉通り、近しい人間からのお金の貸し借りはちゃんとした形をとっておくことが後々困らずに済む方法と言えます。特に、口約束で終わらせていたものがあれば、新たに契約書を作成することをおすすめします。また、借用書というのは本来借主が作成をするものですが、作成を拒否するようなことがあれば、そのような人物にお金を貸してはいけません。

 

お金を貸すのであれば、借用書を作成するのは条件であり、譲れないという強い意志が必要です。その時の感情や雰囲気に飲まれてしまわないことが大切なのです。

 

お金が絡むと人間性がよくわかると言われていますが、法的に効力がないからと返済期日を守らなかったり、返済額を勝手に減らしてしまったりする人がいます。人にお金を借りようとすること自体がお金にルーズであることの証明でもあると言えるでしょう。中には本当に困っている人もいるでしょうが、返済能力がないのに関わらずお金を貸してほしいと打診してくる人もいるのです。

 

このような人にお金を貸してしまうと、返済してくれるどころかさらにお金の借入をお願いされる可能性もあるでしょう。そのようなトラブルを回避する為にも、お金を貸す際に借用書をしっかり作成してもらうことが大切です。

 

 


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