失業保険のすべて

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失業保険について

仕事を辞めた場合、一番に心配になるのが生活に関わるお金のことです。貯蓄が十分にあったり、友人や親せきなど助けてくれる人がいれば何とかなりますが、備えが完璧という人ばかりではありません。

 

そこで、毎日生活の心配をせずに暮らせるよう、失業しても次の仕事を見つけるまでの間ある程度のお金を給付してくれる失業保険という仕組みがあるのです。

 

よく耳にする制度ではありますが、申請方法や受給資格などの内容は非常に複雑で分かりにくいものです。うっかり申請し忘れていたということの無いよう、基本的な仕組みや内容を知っておきましょう。

 

卒業保険は「基本手当」

ある会社に勤務していた人が退職した場合、一定条件のもとで失業後にそれまでの給与の一定割合に当たる金額を受け取ることができます。この制度は会社ごとに設定されているものではなく国が行っているものなので、条件さえ満たしていればどの会社に勤めていた人でも申請できます。ただ、細かい受給資格が定められているため、中には給付してもらえないというケースもあるので注意が必要です。

 

この制度は一般的に失業保険として認知されていますが、実はこの呼び方は正式な名前ではないということをご存知でしょうか。失業保険は、厳密に言えば雇用保険法で定められている基本手当のことを指しており、失業保険という保険が存在するわけではないのです。

 

以前の日本は、失業保険法という法律が設定されていました。ところが新しい働き方や制度に合致しなくなり、不便な面が多くなってきたため昭和50年に現在でも使用されている雇用保険法が新たに定められたのです。それに伴って失業保険法も廃止され、そこで用いられていた失業保険も名称を改変して基本手当となったのですが、失業者に対して給付される手当という基本的な内容は変わらないので失業保険という名称が現在でも使われ続けることになりました。

 

手当は誰でももらえるの?

失業保険や基本手当はどのような人が受給資格があるのかというと、大前提としてまず雇用保険に加入していることが条件となります。さらに失業保険は次の仕事が見つかるまでの補償をしてくれるものなので、新たな就職先を探して活動している必要があります。しばらく働かずにのんびりしたかったり、病気やケガなどで働けない状況にある人は受給資格が無いことになります。

 

受給資格者は一般の離職者や特定受給資格者、特定理由離職者の3種類に分けられます。一般の場合は退職した日以前の2年間にわたり、雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上あることが条件となります。特定受給資格者や特定理由離職者の場合は、退職日前の1年間に被保険者期間が通算で6ヶ月以上あれば申請できることになります。一般離職者は基本的には自己都合によって自由に退職した人のことですが、定年退職の場合もこれに該当します。

 

特定受給資格者とは倒産やリストラ、パワハラなどで退職した人のことを指し、特定理由離職者とは妊娠や出産、家族の介護や希望退職者に応じたなどやむを得ない理由によって退職した人を指します。

 

実際いくらもらえるか計算してみよう

失業保険が実際にいくら受け取れるのかは人によって異なりますが、基本的な計算方法によって概算を算出することができます。基本的には支給額は基本手当日額に所定給付日数を乗じたものになり、それぞれを算出しておく必要があります。

 

基本手当日額は、賃金日額に対して年齢や給与など条件ごとに定められた割合を乗じたものです。だいたい賃金日額の45%から多くても80%程となり、賃金日額がそのまま該当するわけではありません。賃金日額は、退職前の6ヶ月間の収入総額を180日で除した金額になります。所定給付日数は最短で90日、長くても360日と決められています。

 

例えば、勤続年数が2年で退職前の給与平均が月25万円の30歳男性が自己都合退職した場合、所定給付日数が90日だと基本手当日額が5,342円、平均支給額が1ヶ月あたり16万260 円となります。これの90日分なので、支給額の合計は48万780円ということになります。

 

これはあくまでも大まかな計算であり、詳しい計算は勤続年数や年齢など非常に多くの要素によって左右されるので独自に計算するのは難しくなります。目安として知っておきたい場合は、インターネット上にシミュレーションツールがいくつもあるので利用してみましょう。

 

どのような手順を踏めば受給できる?

失業保険を給付してもらう場合、まずは退職後に会社から雇用保険被保険者証と雇用保険被保険者離職票を受け取っておきましょう。

 

離職票には離職理由を記入するのですが、ここは受給資格がどれに当たるかを判断するうえで非常に重要な項目なので、会社側とよく話し合って納得してから記入することが大切です。その後、住んでいる地域のハローワークへ行き、書類提出とともに求職活動を開始する手続きを行います。本人確認書類や証明写真、印鑑に預金口座番号のわかるものなどが必要になります。ここで失業保険の給付に問題が無いかを審査され、問題なければ雇用保険受給資格者の書類を渡され、説明会の案内を受けます。

 

一般離職者の場合は、待期期間を7日間設けた後に3ヶ月間の給付制限期間もあるため、この期間は給付を受けることができません。給付を受けるためには、他にも雇用保険受給者初回説明会を受けたり、定められた失業認定日までに2回以上の求職活動を行うなどの条件を満たしておく必要があります。これらの流れや条件をすべて満たしていた場合、4週間に1度来る失業認定日にハローワークへ行って報告を行うと、1ヶ月分ずつ失業の認定を受けて失業保険を受け取れることになります。

 

「一般の離職者」とは?

失業保険は、退職理由や受給資格に応じて給付額などに大きく差が出ます。多くのケースで自己都合退職である一般離職者と認定されるのですが、特定受給資格者や特定理由離職者と認定された場合は一般離職者よりも給付日数が長くなるため、人によっては100万円以上も給付額に差が出ることもあります。

 

つまり本当に一般離職者に該当しているのか、実は特定受給資格者になれるのではないかを見極めることが非常に重要だと言えるのです。

 

例えば上司からの暴言やパワハラが酷く、それに耐えかねて自分の意志で退職した場合、一見すると自己都合による一般離職者のように見えますが実際には退職せざるを得なかった特定受給資格者と認められることもあるのです。

 

同じように、毎日ハードな残業が続いたため耐えられなくなったケースや、リストラの一環でほとんど仕事も与えられず単純作業だけを与えられたケースなども一般離職者ではないと判断されることがあります。

 

自分が退職を決めたからと言って一般離職者に該当する訳ではないので、少しでも思う所がある場合はハローワークや労働基準監督署などの公的機関に相談してみましょう。

 

まとめ

このように、失業保険は単純に失業中にお金を受け取れるというものではなく、様々な受給資格や条件を満たす必要のある複雑な制度であることが分かります。

 

自分がどの受給資格者に該当するかも含めて、個人が全ての内容や給付額を正確に判断するのは非常に難しいので、詳細や不明な点はハローワークへその都度確認しておくのが賢明です。

 

特に受給資格については給付額に大きく関わってくる重要ポイントなので、手続きを進める前に一度間違いが無いかよく相談しておくようにしましょう。

 

失業保険は、失業中に資金不足に陥って生活が苦しくなるのを助け、金銭的な心配をせずに新しい仕事探しに専念するために非常に役立つ存在です。手続きや求職活動、ハローワークへの報告など様々な処理が必要になるので面倒に感じてしまう人も多いですが、せっかく受給資格のある制度なので活用しなければ損です。

 

失業保険を受けている失業者であればハローワークが行っている公共職業訓練などのサービスを受けることもできるので、新しい仕事を見つけやすいというメリットもあります。これらの公的な支援制度を活用し、就職活動を頑張っていきましょう。


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